フィンチのお気持ち表明板

ブログと日記の狭間

3月7日

連日ブログを書いているものの、話題と言えばやはり食のことばかり。ほとんど家、ときどき半径5km以内の生活圏を散策する日々のなかでは、楽しみも限られてくるわけです。さて、前々回の記事ではポーランド料理ビゴス(ヨーロッパ)、前回はアフガン料理カブリプラオ(アジア)が登場したわけですが、今回は、ヨーロッパとアジアが出会う場所、かつてオスマン帝国として栄華を極めた魅惑の国、トルコの一品をご紹介します。

時は遡ること約1か月前。

ひょんなことから、トルコ食品を扱うネット通販サイトを発見したおれ。

元々スジュクがお目当てで巡り合ったこのサイトですが、当のスジュクはなかなかお値段が張るため、購入をしり込みしていました。そんなある日、同居人からマントゥ(トルコの餃子という触れ込み)が食べたいとのリクエストが入ります。ちょうどこのサイトに売っていたのと、手が届く値段だったのとで、1袋200g入り(1食分くらい)700円×2点を購入するに至りました。冷凍輸送なので送料がかさみ、埼玉から千葉へ1000円ほど。注文から配達までは4,5日くらいでした。

マントゥというのは、要するに小麦粉をこねた生地にひき肉を詰め茹でた料理のことで、ヨーグルトとバターソース、それから香辛料をたっぷりかけて食べるものらしいです。コンスタンティノープルを攻略したオスマン帝国の第7代スルタン、メフメト2世の好物でもあったとのこと。

軽く水切りしたヨーグルトにすりおろしにんにくを加え、それを湯がいたマントゥの上にのせ、さらにバターソース(フライパンに溶かしたバターにトマトペーストを混ぜたもの)を回しかけて、仕上げに香辛料(パプリカフレーク、スマック、オレガノ、胡椒)をパラパラと振りかければ、出来あがり。

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このレシピを参考にさせて頂きました。

cookpad.com

こちらが、今回活躍してくれた香辛料たちです。ワルシャワから持ってきていました。オレガノはそのへんのFlying Tiger(欧州人御用達プチプラショップ)で、それ以外は中心街のトルコ系商店で購入。オレガノと胡椒は、日本のスーパーでも簡単に手に入りますね。スマックは国内でもハラール商店で比較的よく目にします。パプリカフレークは、日本国内だとどこにあるのか、ちょっとよく分かりません。でも、唐辛子フレーク等で十分代用できるのでは、と思います。ちなみに、大学1,2年生の頃にトルコ人の友達と同居生活をしていたのですが、彼女は写真に写ってるもの+乾燥ミントをキッチンに常備していました。

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佐倉のペルシャ系レストラン・サダフ併設のハラール商店で買ったトマトペーストも活躍。もう残り僅かなので、先日四街道のアリアンで同じものを仕入れました。アリアンの方が100円くらい高かったです。トマトペーストと、それからヨーグルトも、同居していたトルコ人の子の常備品だった記憶が。とにかく、大体のものにヨーグルトをかけるお国柄のようですが、彼女がワルシャワで好んで買っていたものに比べると日本のヨーグルトはやや水気が多いので、トルコ料理に使う場合、国産ヨーグルトは少し水切りして使うのが良いのでは、と思います。

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今までの人生で、そのトルコ人の女の子と今の交際相手と、合わせて二人と同居暮らしをしました。誰かと生活空間を共有し、親密に時間を過ごしていると、否が応でも、その人の影響を自分の身に受けることになります。勿論良いことばかりではないですが、それでも、悪いことを差し置いても、誰かを通じて、自分がそれまで知らなかった物事に出会う経験が密にできるという点で、他者との同居は自分にとって素晴らしい人生の肥やしです。ほんの少しトルコの食卓事情について豆知識を得られたのも、あの子と一緒に住んでいたからこそ。貴重な経験だったと思います。今では、香辛料とトマトペーストは、私のキッチンの常備品にもなりました。

最後に、いつぞやのトルコ料理メネメンを作った時のツイートを貼って、おしまい。