フィンチのお気持ち表明板

ブログと日記の狭間

手記・はじめての一眼レフ ① やっつけ購入編

タイトル通り、このたび一眼レフカメラを手に入れました。

 

機種は、キャノンのデジタル式一眼レフEOS kiss x2です。2008年発売のモデルで、新しくはないですが、小型・軽量、初心者にも使いやすいシンプルな仕様とのことで、Amazonで出品されていた中古機が比較的安価だったこともあり、購入に至りました。最新のラインナップに比べるとやはり機能の面で劣るものの、自分的には、もともと写真自体にはそこまでの興味はなく、あくまでバードウォッチングの記録が目的なので、だいたい何の鳥か分かるくらいの撮影が出来ればよしとするスタンスです。

 

しかし、いかんせんカメラに関しては、100%ド素人なわたくし。鳥見目的にしても正しいブツを買えたのかは、正直今に至るまで謎なのであります。EOS kiss x2で撮った野鳥の写真をネット上でいくつか見掛けて、素敵な出来栄えだったので、まぁ大丈夫だろうと完全見切り発車してしまいました。本当は他の選択肢もよく吟味した方がベターだったとは思うけれど、なんせカメラ購入を決意したのが出国当日、深夜2時ほどだったので、あまり盛大に迷っている時間がなかったのです。あと、その日の夕方までに届くAmazonお急ぎ便のオプションが可能な出品の中から選ぶ必要もあり、(あと勿論あまり高価なものには手が出ないし、)結局、いちばん最初に目星をつけたEOS kiss x2を、もうこれでいっか的な感じで半ば投げやりにポチりました。まぁ、万が一、もし使い物にならなかったら、潔く売り捌こうと思う。

 

雑調べで得た情報によると、鳥見に使うカメラで重要なのは、最低でも250mmの望遠レンズとやらを使うことだそうです。これで、遠くの鳥を大きく撮影できるようになるとのこと。EOS kiss x2には、ダブルレンズキットと呼ばれる、最大250mm(の焦点距離)でズームできるレンズが本体に付属するセット販売のオプションがあり、今回はそれを購入しました。このセットは、Amazonで中古品が1万5000円くらいから。自分が買ったのは、最低価格のものより少し状態が良さそうで、2000円ほど高いものです。ちなみに、本体だけなら、お値段7000円くらいから出品されています(勿論、中古の話)。ヤフオクとかメルカリ、ジモティーなら、もっと安く手に入る可能性もあるでしょう。ただ、Amazonのやつは評価の高いカメラ業者の出品だったので、個人から買うより信用は高そうでした。

 

前々から、カメラ等装備を揃えて本格的にバードウォッチングをしてみたい気持ちはあったものの、今回それを実際に行動に移したのには、実を言うと、ひとつきっかけになった出来事がありました。時は遡ること3日前。「何事も直前まで先延ばし」の我がモットーに恥じず、パスポート更新も出国間際までズルズル後回しにしていた小生ですが、去る27日月曜、ようやく新しい旅券の受領日がやってきました。そんなことで新宿都庁のパスポート課を訪れた、その帰り道のこと。ふと、大学の同級生アブドラ(彼には幾度となく日記に登場願っています。ありがとう)に、とある頼まれごとをされていた旨思い出します。それは、中古の日本製カメラを買ってきて欲しいという、お使いのリクエストでした。適当にググったところ、ちょうど新宿駅近くに中古カメラ店が見つかったので、立ち寄ってみることに。

 

すぐ目と鼻の先にそびえ立つコクーンタワーをちらりと仰ぎ見、煌びやかな高層ビルが整然と立ち並ぶ大通りから、ほんの1,2本道をそれると、そこは暗くゴミゴミとした路地裏。少し気後れしながら足を踏み入れて間もなく、だいぶ年季の入った、何やら怪しげ(?)な店の看板が視界に映りました。新宿中古カメラ市場の文字。ここで間違いない。古ぼけた雑居ビルの狭く急な階段をひとフロアぶん上り、たどり着いたところ、市場と言うわりに窮屈なその店内には、ガラス棚に収納された種々の中古カメラが所狭しと並んでいました

 

何だかオタクみたいな客ばかりで、完全場違いな気持ちになりながらも、目当ての機種の在庫を店員に尋ねます。アブドラから事前に指定されていたのは、Olympus のmju 1/2、それからCanonのa-1でした。運よく両方とも店内に用意があり、とりあえず価格を確認がてら見せてもらうことに。mjuの 1/2の方が1万5000円強、Canon a-1は1万円弱ほどのお値段。最終的にアブドラが選んだのはmju 2だったけど、それは彼の出身地ドバイで買うと、3倍ほどの価格らしいです(ちなみに店員とこの話をしたとき、間違えて10倍と言ってしまい「え、そんなに?」と驚かれたのだが、さすがにそんなはずはなかった笑)。

 

しかしまぁ何はさておき、この中古カメラ“市場”潜入体験のハイライトは、話を大盛りしたことではなく、他でもない、今回は選ばれなかったCanon a-1との出会いにあります。mju 1/2に続いて、店員が指し示した先、同じ通路反対側のガラス棚に入っていたa-1をひとめ見た時のこと。衝撃ーーーなんて美しいんだろう。そう思わずにいられなかった。今まで、カメラがそんな感情を抱く対象になり得るものだと、考えたこともなかったのに。全くのカメラ素人の心すら、その真中を的確に、一瞬で射抜いたa-1。写真なんてさほど興味もないくせに、このカメラが欲しい、所有したいとさえ思いました。ただただ、美しいばかりに。

 

mju 2を買い上げ、店を後にし階段を下りながら、今まで知らなかったニッチな世界の一端を垣間見たことに、気分が高揚していました。mjuにしろ、あの紛れもない芸術品のa-1にしろ、最初アブドラから名前を聞かされた時にはナンノコッチャとしか思わなかったのに、いざ実物を目にしてみると、不思議と興味深く、心惹かれるものです。ちなみに新宿中古カメラ市場は、店員曰く日本でもいちばんの品揃えだそう。公式サイト(何故かコンパニオン付き温泉旅館の紹介リンクが貼ってある)には、「本当のマニアがここをしらなかったらモグリ!!」との一文が。図らずとも、最初に足を踏み入れたのが、オタクの聖地だったわけです。

 

そんなことで、だいぶ話が長くなりましたが(なりすぎ!)、この一連の、新宿中古カメラ市場潜入の出来事が、今回EOS kiss x2を購入するに至る直接のきっかけとなりました。カメラの世界に少しばかり首を突っ込む後押しになったわけです。最初にa-1を買おうかとも考えたのですが、調べるうち、a-1は一眼レフの中でもフィルム式と呼ばれる種類に属すということが分かり、デジタル式の方が無難だそうであることを踏まえ、断念。こんなふうに、未知の世界の知識を一つひとつ手探りで得ていくのは、楽しいもの。ただ自分の場合、あくまでも主軸は鳥見です。カメラはそこから派生したおまけという付き合いになっていくことでしょう。

 

手記・はじめての一眼レフ、以下続編執筆予定です。乞うご期待!

 

  • 手記・はじめての一眼レフ ② アクセサリー編
  • 手記・はじめての一眼レフ ③  実際に使ってみた編