フィンチのお気持ち表明板

ブログと日記の狭間

4月12日

夜。雨音が壁に染みて、室内まで漏れ伝わるようです。畳の部屋が、雨の音で浸水しているみたい。とても静かで、満たされた気持ちになる。日記でも書きたくなる感じ。屋内でこんなふうに雨が聞こえてくることって、ワルシャワではない気がする。やっぱり日本の家は比較的、壁が薄いのかな。日本の家全般というより、この古い家の問題かもしれないけど。

この家。家族の会話ではいつも単に「千葉」と呼称されるこの家は、まぁ千葉にあって、最近までここで、母方の祖父母が細々と生活を営んでいた。今は母の所有になっているらしい。小さな頃は、毎年夏休みに、従兄弟たちとこの家に集まって遊んだりした。私は中高生になっても何かと祖父母に甘えに来ていたから、孫たちのなかでは一番多く、ここに思い出がある。

10日ほど前、留学先のワルシャワからポーランド政府のチャーター便に乗って帰国した。成田空港では、迎えに来た母から、スーツケースを拭くようにとアルコール除菌シートを手渡され、さらに両手の消毒と物々しいN95マスクの着用を指示されたあと、叔母の車に乗り込んだ。バイ菌!とかっていじめられてる小学生みたいだった。3,40分ほどで家に着き、早々に去っていった二人を見送り、そして、2週間の隔離生活が始まった。

そう、時代はコロナ。

今日はイースターの日だったけれど、Twitterでそのことについてつぶやいてる人を、ほとんど見かけなかった。去年と一昨年は、少しくらいは話題に上っていたから、ハロウィンとクリスマスに次いで、ついにイースターも、舶来行事として日本に定着しつつあるのかな、なんて思ったのに。今年はみんなコロナで、それどころじゃないのね。

代わりにTLで今日持ち切りだった話題と言えば、安倍首相の犬。あの動画、なんだか挙動のいちいちがジジくさいなぁと思って、笑っちゃった。ネットの記事に、若者の間で話題の事がオジサンに伝わるまでのタイムラグが1週間、みたいなことが書いてあったけど、星野源が曲をアップしたのもちょうど1週間程前とのことだったから、二度笑ったよね。

でも、このコロナ自粛、私もどちらかと言えば、何の心配もなく寛ぎながら過ごしている方だ。世の中には、生活に対する逼迫した不安を今この時も抱えているような人だって、少なからずいるのに。首相が大炎上しているのを傍目に見ていて、なんとなくだけど、決まりの悪さを覚えた。

比較的に裕福な家庭で育ったけれど、それでも自分が、そうでない人たちより特別恵まれているとは、ほとんど思ったことがない。経済的な要素って、決して小さくはないけれど、でも、全てじゃない。私はその他の幾つかの面で、他人より大変な思いをしてきたと自認している。みんな、他の人より多く持っているものと少なく持っているものと、両方あって、総合したらだいたい、とんとんなんだ(例外はある)。って、私はいまだにそんな信条を持っている節があるけれど、もしかしたらこんなのは、あまりにナイーヴなのかもね。

ま、とどのつまり、私はその他諸々のことで散々黒歴史を量産し辛酸をなめてきたという免罪符があるので、少しくらい、自分のプチ優雅なコロナ自粛生活のことについてこの半ブログ半日記に書いても、バチは当たらないだろう。でも、ここまでの前置きで、やたらに長くなってしまったから、今日はここまで。